純正プリンターインクより安い!互換インクとは
プリンターのメーカー以外が製造・販売しているインクカートリッジで、純正品と互換性があるものを互換インク(または汎用インク)と呼んでいます。
品質は純正品と比べても高品質なものも多く、印刷品質は普通の人には判別できないレベルです。価格が純正品の50%程度に抑えられることからプリンターインクをたくさん消費するユーザーのコスト削減に役立っています。
リサイクルインクと混同される例もありますが、回収したインクカートリッジにインクを充填し直したリサイクルインクと異なり、互換インクはすべてが新品です。
最近の互換インクは品質管理がしっかり行われている工場で製造されているので故障などのトラブルの原因になる心配はほとんどありませんが、気になるようなら保証期間の1年間はメーカーの純正インクを使って、その後は互換インクに代えるなどの工夫をすると良いでしょう。
互換インクって使っても大丈夫なの?
プリンターで印刷をする際は、インクが必要になります。各メーカーでプリンターに対応するインクの種類は決まっているため、メーカーはプリンターに合わせて純正品のインクも販売しています。
純正品は価格が高いこともあり、インクが切れても購入するときのコストがかかります。そのコストを抑えるために、互換インクが販売されています。
互換インクの登場により、プリンターのメーカーにとっては厳しいものになりました。プリンターのメーカーは、プリンター本体の価格を下げ、インクの価格を高くして販売することがビジネスモデルとなっていました。
プリンターのメーカーがインク市場を独占するようなところへ、互換インクが入ってきたことで、競争が激しくなり、中には訴訟を起こしたところもありました。しかし最近では、メーカーも互換インクに対応できるように、プリンターの開発を進め、共存する方向も見せています。
純正インクと互換インクの違い
メーカー純正品のプリンターインクと、互換インクのメリット・デメリットを比較してみましょう。
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![]() デメリット |
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互換インクのメリット=価格が安い
インク型番 | IC69 | BCI-325/BCI326 | LC12 |
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純正インク価格 | 3,785円 | 5,030円 | 4,608円 |
互換インク価格 | 910円 | 1,050円 | 770円 |
差額 | 2,875円 | 3,980円 | 3,838円 |
※2021年11月時点の目安価格
各メーカーの代表的なインク(4色~5色のインクパック)を、純正と互換とで比較してみましたが、その差額は一目瞭然!2,000円~3,000円もの差が生まれています。純正品1個で互換インクが3個以上買えると思ったら、コスト差は歴然としていますね。
互換インクのデメリット=品質が悪い?
初めて互換インクを買う時、ほとんどの人は「品質が悪いんじゃないか?」と不安に思うはずです。確かに互換インクの中には、コストを重視し過ぎた粗悪品もあります。こうした粗悪品を使うと、印刷物の品質悪化はもちろん、プリンターの故障の原因にもなるので注意が必要です。
ただ、多くの互換インクは厳密に管理した工場で生産されており、クオリティは純正品に引けを取りません。中には、純正品でも使用していない、顔料を使用した高品質・低価格な互換インクを取り扱っている店舗もあります。
当サイトで紹介している販売店は、利用者の評価が高い優良店ばかりなので、ぜひチェックしてみてください!
※顔料…高精細な色再現ができ、どんな紙にも安定した印刷ができる。また、水に強く速乾性があり、耐久性が高い。 (多くの互換インクで使われている染料は、水性なのでにじみやすい)
互換インクのメリットを感じられる5つの場面
最近では高品質な互換インクが増え、インク漏れなどのトラブルもだいぶ少なくなってきました。
そして、互換インクのメリットはとにかく価格が安いという点です。
大切な写真などを印刷する場合は純正インクの方が安心感がありますが、印刷物が多い企業などでは互換インクの需要が高いと言えます。
薬局や医療の現場
例えば「処方箋薬局」では、処方箋を印刷する必要があったり、領収書や医療明細を印刷して患者さんに渡すので、日常的に印刷物が多い業種のひとつです。
領収書などは数年保存する人もいますが、それで文字が消えてしまうものではないので、互換インクを使うメリットは大きいでしょう。
スーパーの贈り物コーナー
スーパーでは、のし印刷をすることが非常に多いですが、ベタ文字での印刷なので大量のインクを使用します。
のしは包物を空けてしまえば破棄されることがほとんどで、長期保管されるケースは稀ですので、コスト削減になる互換インクを使うことをおすすめします。
企業の営業職
業種に限らず、企業の営業職もかなり印刷物が多い仕事です。
客先で営業するためにプレゼン資料を作って印刷したり、会社情報を印刷するなど、日常的にプリントアウトする書類が出てきます。
カラー写真やイラストを挿入するとインクの減りは早くなりますが、格安な互換インクなら安心です。
店内チラシを自作する個人店
店内チラシを自社で作成して店内に貼っている個人店も、日々たくさんのインクを消費します。ずっと同じチラシを貼っておくわけにもいきませんし、白黒よりはカラーの方がお客さんの目を引くでしょう。
そんな場面では、互換インクを使用することで経費削減につながります。
学校や塾などの教育施設
学校などの教育関連も印刷物がとても多い業種のひとつですね。
授業で必要なプリントを印刷したり、周知事項の手紙を印刷するなど、1日に膨大な数のプリントを行います。
そのほとんどが、長期保存の不要な印刷物なので、これらのプリントにおいては互換インクを活用することで大きな経費削減が可能です。
大切な写真にも互換インクは向いているのか?
今では互換インクの品質も向上し、純正インクと比べても遜色ないものと言えます。
しかし、プリントアウトしたときに仕上がりの色合いが、純正インクとは微妙に異なることがあります。
また、互換インクとプリンターの相性によっては、稀にかすかなにじみが出るケースもあります。
ひと目でその差がわかるものではありませんが、大切な想い出の写真などはメーカーが品質を保証している純正インクの方が安心感はあるかもしれません。
特別な意味をもつ印刷物には純正インクを、長期保存の必要がない印刷物には互換インクというように、場面ごとに使い分ける人も中にはいるようですが、当サイトで紹介している販売店の互換インクであれば、そこまで気にする必要はありません。
互換インクはどの機種に対しても適合する商品があります
互換インクは非常に多くのプリンターに適合しますので、お使いのプリンターにも互換インクは使えます。
キヤノンのプリンターに使える互換インクの価格
キヤノンのプリンターに使用できる互換インクは、多くの種類があります。対応できるプリンターの機種や互換インクの商品が多いのが特徴です。
- BCI-325/326 1,050円
- BCI-3E 1,099円
- BCI-7E 1,799円
- BCI-320/321 1,300円
- BCI-350/351 1,200円
これらの型番の純正品は、価格が3,000~5,000円以上するものが多いのですが、互換インクならかなり安く購入できます。
エプソンのプリンターに使える互換インクの価格
エプソンもプリンターのメーカーとして有名で、もちろんインクも販売されています。互換インクも販売されていて、エプソンのあらゆる機種に対応しています。価格は以下のようになっています。
- IC69 910円
- IC46 1,062円
- IC50 1,010円
- IC61/62 1,508円
- IC70 1,350円
エプソンの純正品は高いもので6,000円以上しますが、上記のように互換インクは1,000円台で購入できるものが一般的です。
ブラザーのプリンターに使える互換インクの価格
ブラザーもプリンターのメーカーとして有名で、多くの機種が販売されています。ブラザーのプリンターに対応している互換インクも販売されており、こちらも純正品よりかなり安い価格になっています。
- LC12-BK 250円
- LC111-BK 458円
- LC11-4PK 1,100円
- LC113-4PK 1,210円
ブラザーの純正品は1,000円から8,000円以上と、幅広い価格帯となっていますが、互換インクは1,000円以下で購入できるものがあります。
HPのプリンターに使える互換インクの価格
HPはパソコンのイメージがありますが、プリンターも販売しています。純正品はいくつかありますが、互換インクも同様に対応するものがあり、価格はこのようになっています。
- HP178XL/4色 1,700円
- HP920XL-BK 825円
- HP177-BK 記載なし
- HP940XL-BK 1,027円
- HP130-BK 1,540円
HPの純正品は4,000円以下になっているものが多く、互換インクも825円のように、1,000円以下で購入できるものがあります。
■RICOHのプリンターに使える互換インクの価格
RICOHのインクは、対応できる機種やインクの型番が他社より少ないため、互換インクの商品も少ないことが特徴です。在庫がないところもありますが、実際に販売されている価格は以下の通りです。
- GC21 2,178円
- GC21H 2,310円
- GC31 2,970円
- GC31H 3,980円
RICOHは主に4つの型番で販売されていることが多いです。純正品で3,000~4,000円台のものが、互換インクでは2,000円台で購入できます。
互換インクのトラブル
互換インクのトラブルにはどういったものがあるのかご紹介いたします。
互換インクを認識しない
互換インクはプリンターに認識されないことが稀にあります。互換インクはプリンターとは異なるメーカーが作るため、完全に認識されないことがあります。ICチップの接触によるものや、読み込みができないといったことが主な原因です。
解消法
認識不良の解消法は、互換インクをセットし直すか、プリンターの電源を入れ直すかで、読み込みができるようになります。また、ICチップを綿棒などで掃除することも、解消法につながります。
互換インクの目詰まり
互換インクは目詰まりしやすいものでもあります。インクの品質上の問題でもあり、目詰まりはインクの乾燥やほこりなどの侵入が原因とされています。セットし直して電源を入れ直すことから始め、印刷の状態を確かめてみます。
解消法
目詰まりを解消するには、専用の洗浄液を使用します。また、洗浄カートリッジをインクと同様にセットすることで、簡単に目詰まりが解消できます。
互換インクが合わない
互換インクでは、プリンターとの互換性を示しており、適合するプリンターでの使用をすすめています。しかし、互換インクを使用すると、プリンターとの相性が合わないといったことも稀にあります。互換インクが合わないことはよくあり、原因ははっきりとわかっていません。初めて互換インクを使用するときは、問題なく印刷できるかを確かめる必要があります。別の会社の互換インクを使用してみると、問題なく動くといったこともあり、相性には違いがあります。
互換インクが色あせる
互換インクは純正品と比べると、色あせしやすい傾向にあります。純正品は耐久性に優れたものが多いですが、互換インクでは耐久性についてはあまり考えられていません。印刷物を長期で保管する場合を考えると、色褪せの原因である光を遮るような保存方法がおすすめです。できれば、互換インクで印刷したものは早い段階で保存させた方がいいでしょう。互換インクの商品によっては、長期保存する印刷物は純正品で印刷することをすすめているものもあります。
- 互換インクの印刷品質は?
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インクの配合は各社とも企業秘密なため、純正品とまったく同じ成分が含まれているわけではありませんが、プロの写真家やデザイナーなどでなければ並べて比べてみても純正品と互換インクの違いが解らないことも多いそうです。
互換インクの不良品率は、約0.4%(1,000個中に4個)とも言われています。
- プリンターが故障しない?
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互換インクを使ったためにプリンターが故障するということはまずありません。
しかしプリンターも機械なので、純正インクを使っていても故障することはあります。
もし互換インクを使用中にプリンターが故障して、原因が互換インクにあるのではと思ったら、互換インクを購入した販売店に相談してみることがお勧めです。
- 純正インクと互換インクは併用できる?
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互換インクも純正インクも同じサイズのインクスロットに装着できるように作られているため、全く問題なく併用することができます。
ただし純正インクを使用していた後の同じスロットに互換インクのカートリッジを挿入、または互換インクの後に純正インクを挿入した場合は、印刷の初期に双方のインクが混ざるため化学反応でカスレやニジミが起こる場合があります。
混ざり合った部分のインクが無くなれば問題は解消するので、カスレ・ニジミが起こったときはヘッドクリーニングなどで混ざったインクを消費してしまうと良いでしょう。
- 製品に保証はついてる?
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互換インクの販売店によって対応が異なります。一般の販売店では初期不良や配送中のトラブルによる損傷などの返品・交換は、商品到着後7日以内です。
- 純正品と外見が違うけど大丈夫?
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インクカートリッジの構造は、各メーカーが考案した特許の集合体とも言えるものです。装着や取り出しのための指の引っ掛かりや側面の溝、上面デザインなどすべて特許登録されていることが多く、互換インクを全く同じ形状で作ることは法律的に難しい場合が多いです。
そのため純正品と互換インクでは見た目が違い、インクスロットの着脱でも使用感が異なることがほとんどです。ICチップ(小さなプリント配線板)の配線なども同じように作れないことが多いので、互換インクはそれぞれに工夫した構造を持っています。外見が違っても使用に問題はないので、安心して使って良いと思います。
- プリンターとインクの相性があると聞いたが?
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ごくまれに対応表で使用できることになっている機種で、互換インクが使用できない事例があります。プリンターの型番が同じでも発売時期によってインクスロットの仕様が異なっているなど、すべてのプリンターを把握しきれないために起こるトラブルです。
発注ミスなどでない限り販売店で交換対応が可能なので、使用できないことが分かったらすぐに販売店に連絡すると良いでしょう。
- まとめ買いしたいけど保管期間は?
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互換インクをまとめ買いした場合、開封しない状態なら製造後2年間は品質を保つことができます。保管は直射日光が当たらない場所であれば大丈夫です。
通常、販売する商品は製造後2ヶ月~3ヶ月程度のものなので、1年半くらいなら全く問題なく保管ができます。開封した場合は6ヶ月以内に使い切るようにしてください。