プリンターのランニングコストを考えると、純正品よりも圧倒的にコストの安い「互換インク」を利用するのが一番です。ただ、プリンターのインクはそうそう都合よく全色同じタイミングでなくなってはくれません。
一色だけさきになくなってしまったとき、果たしてさきに互換インクと入れ換えても問題はないのでしょうか。今回は、互換インクの併用に関する疑問にお答えします。
一番多い疑問は、「純正インクと互換インクを併用して使っても、プリンターは壊れないのか?」でしょう。
100%と断言はできませんが、きちんとプリンターの型番に対応している互換インクであれば、純正品と併用しても問題はありません。
基本的に、互換インクはカートリッジの形に発色、ICチップなどを「できるだけ互換品に似せて」つくっています。古い互換インクは品質が悪く、インクの出来が悪かったため「互換品を使うとプリンターが壊れる」といったトラブルもありましたが、技術の発展にともなってトラブルはほとんどなくなっているのです。
ただし、互換インクは純正インクに似せてつくってあるだけで、まったく同じものではありません。なるべく純正品と同じ発色になるように塗料の配合を工夫していますが、純正品と比べた場合若干色味が違う場合もあります。
「純正品の発色でなければ絶対にダメだ」という事情がある場合は、純正品を使ったほうがよいでしょう。
インクの交換直後は、ノズル部分等で古い純正品と新しく入れた互換インクが混ざることになります。純正品と互換インクは同じものではないため、交換直後はにじみやかすれが出ることもあるため注意しましょう。
純正品と互換インクの併用に比べると、ややリスクの高い選択肢です。
できれば、銘柄違いの互換インクを併用することはやめておきましょう。なぜなら、互換インク同士の相性がよいとは限らないからです。同じような商品でも、銘柄が違えば「どういうインクを使い、どんなレベルの技術を使っているのか」が違います。同じ銘柄や純正品との組み合わせなら問題がなくとも、別銘柄の互換インクを混ぜるとトラブルになる可能性があるのです。
純正品と互換インクの組み合わせ、互換インクと別銘柄の互換インクの組み合わせ、双方のコスパを調べてみました。
今回は、より具体的な比較をするためにキヤノンのオフィス向けプリンター、「LBP-2710」のインクコストを参考にしてみます。
純正品よりも圧倒的に安い互換インクと、同じショップで扱っている別銘柄(パイロット社製)の互換インクそれぞれの価格をまとめたものがこちらです。
LBP-2710対応インク | |
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互換インク(TMC-EP-86Y) 9,072円(税込) | 互換インク(パイロット社製RET-EP86Y-P-K) 12,754円(税込) |
「純正品+互換インク」VS「互換インク+互換インク」のコストを比較してみましょう。
インクのコスト比較 | |
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純正品+互換インク 9,072円 | 互換インク+互換インク 21,826円 |
表の通り、「純正品のインクがなくなったら、すぐに最安値の互換インクに交換するのがもっともお得」という結果になりました。
通常、互換インクの取扱店でも最安値の商品は1種類しかありません。わざわざ少し高い別銘柄の互換インクを併用するより、1種類の互換インクを使うほうがコスパもよく、トラブルの心配もないでしょう。
また、インクは単色ではなくセットで買ったほうが安くなります。「最安値の互換インクをセットで買う」のが一番おすすめです。
※価格は、2021年10月の情報です。
(※1 公式HPに税表記はありませんでした)