パソコンで作成した資料などを印刷するときは、プリンターを使用しますよね。
そのプリンターには、「インク」か「トナー」が挿入されていて、これらを用いて紙に印字しています。
しかし、「インク」と「トナー」の違いを知っている人は意外と多くありません。この2つは呼び名が違うだけではなく、それぞれに特徴があります。
そこで今回は、インクとトナーの違いについて解説します。
インクは、染料を含んだ液体でできています。一般的なインクジェットプリンターは、このインクを紙に噴射して印刷を行います。家庭用の小さなプリンターなどでは、「大量印刷する必要がない」「写真の印刷で繊細な色を表現する必要がある」などの用途が想定されることから、インクが使用されることが多いです。
トナーは、粉状のインクです。主に、レーザープリンターや印刷機にセットして使用します。レーザープリンターとは、静電気や熱の力を使って、紙に染料を定着させています。企業で使われるレーザープリンターなどでは、「大量印刷」「再生紙のような品質が落ちる紙での印刷」などの用途が想定されることから、トナーが使用されることが多いです。
インクは、さらに2種類に大別することができます。
顔料インクを使用するプリンターは、顔料インクを紙の表面に付着させることで印刷します。顔料インクを使うと、以下のような特徴のある仕上がりになります。
このように、印刷物の品質を高めたいときには、顔料インクが最適です。
染料インクを使用するプリンターは、染料インクを用紙の表面に染みこませることで印刷します。染料インクを使うと、以下のような特徴のある仕上がりになります。
このように、さまざまな用途に使用したいときは、染料インクが最適です。
大量印刷に向いているトナーの方がよいと思ってしまいがちですが、インクにはトナーより優れている部分があり、使い分けが重要といえます。インクはどのようなときに使用するとよいのでしょうか。
顔料インクと染料インクの違いは説明しましたが、トナーと比較すると、どちらも「色の再現性」が高くなります。デジカメで撮影した写真を印刷したいときや、クオリティの高い作品を印刷してクライアントに提出したいデザイナーなどは、インクを選択する傾向にあります。
会社の資料作成で使用する場合などは、大量印刷に向いているトナータイプがよいかもしれませんが、自宅で印刷をする場合など、大量の印刷を求めていない場合は質の良い印刷ができるインクがおすすめです。
実は、トナータイプよりもインクタイプのほうが長時間の保存が効くことが多く、印刷が薄れたりすると困るものや、長く保存する必要があるものなどの印刷にはインクが向いています。
インクとトナーにはそれぞれ異なるメリットがあります。短い間だけ必要なものや大量に印刷が必要なものを印刷する場合はトナーを、高画質の印刷をしたいときや長期保存が必要なものを印刷する場合はインクを選ぶとよいですね。
※価格は、2021年10月の情報です。
(※1 公式HPに税表記はありませんでした)